落合楼玄関

落合楼玄関


今週、中国寧波市から来た個人旅行(4名)のガイドとして、名古屋・静岡(伊豆湯ヶ島温泉と中部地区)を巡ってきた。
今回の方たちは数年前に日本を訪れて以来、すっかり日本に魅了されて年2回程度訪日旅行を楽しむ方たちである。
春までは連日というくらい訪日旅行(インバウンド)の報道がされていたが、夏以降訪日旅行客数が鈍化したためか過熱報道も鳴りを潜めた感がある。
富士山静岡空港も一時の賑わいが薄れ、昨年のように空港施設外までスーツケースが並ぶ事態は収まり、いくらか静かさを取り戻したようだ。
この状況は運営する行政にとっては問題だが、我々利用者にとってはありがたい。

今日は、日本に団体で押し寄せて、爆買いをしながら風のように帰国した訪日旅行客が、今後どのようになっていくのかを今回同行した静岡観光の事例から見てみたい。

名古屋駅前の高級ホテルを出発した一行は、一路伊豆へ向かった。

沼津港と富士山

沼津港と富士山


◎沼津港
寧波市(上海の南に位置し国際港湾を有する)の方たちだけに、海鮮料理が食べたいとのリクエストで沼津港にある「魚河岸割烹さかなや千本一」で昼食。
雪を抱いた富士山の眺望が自慢の個室(有料)で、舟盛りや金目の煮つけ、自慢の桜エビのかき揚げに大喜び。富士山を背景に舟盛を手にした記念写真。

◎沼津御用邸記念公園
中国人にとって日本の皇室は興味深いようで、東京でも皇居は外せない観光地になっている。今回も「かつての皇室別荘があるけど見る?」と聞いたところ「是非!」との回答に案内。日本の皇室の説明から現在の今上天皇までの説明に納得の様子でした。外国人にとって二千七百年続く皇室は大変興味ある歴史なのです。

修善寺

修善寺

独鈷の湯

独鈷の湯

◎修善寺

すでに紅葉は見頃を過ぎていたが、日曜日だけに観光客で賑わっている。修善寺温泉を横切る北又川沿いを歩きながら修善寺参拝と独鈷の湯などを見学。温泉まんじゅうを食べながら日本の温泉街を楽しんだ。

落合楼電灯

落合楼電灯

落合楼文化財ツアー

落合楼文化財ツアー

◎本日のお宿 湯ヶ島温泉「落合楼村上」

 落合楼村上は、旅館全体が有形文化財に指定されている名旅館。玄関から廊下・階段に至るまですべてが文化財なのです。川端康成はじめ北原白秋や田山花袋、山岡鉄舟など有名な文人墨客に愛された旅館です。1泊2食27,000円~ですが、全14室すべてが文化財の宿でこの料金はリーズナブルです。

私も数多くのホテル旅館を見てきましたが、宿が持つ重厚感や醸し出す情緒、女将はじめスタッフの心遣いは流石名旅館と言わざるを得ません。

ウエルカムドリンクを飲みながらのチェックイン、入れたてコーヒーを飲みながらのチェックアウトなどすべてが優雅なのです。

翌朝10時に始まる館内文化財ツアーもあります。

現在ネットで予約する安価な宿が人気ですが、折角の旅行ならお金で買えない至福な時間を過ごせるこのような旅館に泊まってみたいものです。

今回の中国のお客さんもいたく感激し、来年は父母を連れて来るそうです。ちなみに、あまりにもゆっくりしたために宿を出発したのは昼12時をまわっていました。

夢の吊橋 遠景

夢の吊橋 遠景

夢の吊橋

夢の吊橋

◎夢の吊橋(川根本町)

湯ヶ島を出発してからは一路大井川の奥にある川根本町「夢の吊橋」へ。

厭がる私(すでに時間も遅いし、つり橋は怖い)を他所に、薄暗くなり始めた駐車場から徒歩30分。

トリップアドバイザーで「一度は訪れたい世界のつり橋10選」と紹介された吊橋で、パワースポットにもなっている。聞いたところ、橋の真ん中でカップルが祈ると恋が成就するのだとか・・・。カップルでここまで来るならすでに恋は成就していると思うのだが私のやっかみだろうか。

中国語を話す団体ともすれ違ったが(彼らは帰路)、発音から台湾人らしい。台湾人はこのような自然が好きだが、中国人はまだまだ日本のショッピングが楽しみでこのような場所では見ることができない。

(写真の夢の吊橋は明るく見えるが、レンズを開放にしているためで本当はかなり暗い)

掛川城茶室庭園

掛川城茶室庭園

呈茶体験

呈茶体験

◎掛川城茶室(呈茶体験)

 いよいよ最終日。富士山静岡空港から帰国する前に、掛川城茶室で呈茶体験。

昨年秋に案内したところ、天守閣と御殿と茶室がそろった掛川城を気に入り再度訪問。

この日は表千家の先生で、茶道の歴史や動作の説明、茶器に関する質問に丁寧に答えていただいた。反対に先生方からは中国のお茶や風習に対する質問もあり、茶道を通した国際交流でした。

 

今回の行程は、これまでの中国人訪日旅行客にはあまり見られないゆとりある日程だった。しかし、今後日本を何度も訪れるリピーターが増え、ショッピングよりも文化や自然を感じたいと思う旅行客はもっともっと増えるだろう。

私たちも、買い物だけでない本当の日本の魅力を紹介することによってリピーターを増やし、インバウンドによる地域活性化の一役を担うことが出来たら幸せである。