張惰代令副市長挨拶

張惰代令副市長挨拶

煙台市人民政府(注1)主催、静岡県国際経済振興会(SIBA)共催による煙台市の経済観光セミナーと交流会がセンチュリーホテル静岡で開催されました。
 昨年12月、中国山東省煙台市にある煙台蓬莱国際空港と富士山静岡空港が週3便就航され、今後観光と経済での交流促進を目的に開催されたセミナー交流会です。

 煙台市と聞いて場所がわかる方はかなりの中国通ですが、ほとんどの方は場所もイメージも湧かない都市だと思います。
せっかく静岡空港に就航されたので少し煙台市の紹介をしたいと思います。
 煙台は中国山東半島の北端の渤海湾に面し、人口700万の歴史のある都市の一つであり、現在は早くから対外経済開放されたため環境や立地、投資環境の良さから産業都市として栄えています。
 静岡県からも矢崎総業株式会社が進出し、ホンダやスズキ、トヨタ自動車のワイヤーハーネス(注2)など製造しています。

 歴史で見ると秦の始皇帝が不老長寿の薬を求めて日本に使いを出した「徐福伝説」で有名な徐福(注3)も、蓬莱と呼ばれたこの煙台から日本に渡った場所と言われています。日本各地に残る徐福伝説は2200年も昔の弥生時代の出来事ですが、日本全国に徐福伝説は残っている上に、中国でも江蘇省に実際徐福村が存在し子孫もいるようですから、単に伝説と片付けることは出来ない話なのです。
 静岡県でも駿河湾に船で入った徐福が、三保の松原や大瀬崎から最終的に蓬莱山(富士山)にたどり着いたなどの伝説が残っています。
「徐福伝説」調べてみると大変興味深い話ですのでご興味ある方は調べてみてください。

交流会

交流会

 今回の経済観光セミナー&交流会ですが、県内各地より製造業の方々や観光施設の方たち約60名が参加しました。
 煙台市は海外の企業誘致に積極的で、国が多額の投資で合弁企業を設立しているため企業(製造業)対象のようなセミナー交流会だったために、静岡空港を利用して観光客を誘致しようとする観光業者にとっては物足りなさが残るものでした。
 
 私にとってこのセミナーは少し違和感を持って参加したのですが、本日の韓国最大の新聞「中央日報」の記事を見てその違和感の原因を理解しました。
 あくまでも私個人の考えですが・・・、
中央日報によると静岡で開催した経済観光セミナーを主催する煙台市人民政府と煙台市副市長一行は静岡から韓国ソウルに渡り、中国国務院の政策により煙台市に2017年にオープンした韓中産業団地へ進出する韓国企業に、最大16億円の補助金を支給する計画を発表したのです。
 そればかりではなくビザ免除の優遇制度や土地利用価格も最低価格の70%で利用できるなど、韓中FTAによる大規模投資計画を大々的にメディアに公表したのです。

 静岡での経済観光交流ではただ単に海外企業の誘致実績だけで具体的な政策が示されなかったうえに、観光面でも中途半端なPRに終わったため、これまで開催された経済観光セミナーとは少し違和感を覚えたのは、実は韓国での大規模投資計画発表を前に静岡に立ち寄った程度のものだったのでは・・・と疑ってしまったからです。
 中国では政府の人間が海外出張するには規制があるため、簡単に渡航することが許されません。そのため、実はイギリスに用事があるのだけれども、せっかくだからフランスで無理やり用事を作って観光しようとする事例が多々見受けられます。

 疑えばきりがないのですが、静岡の経済観光セミナーと韓国での大々的な記者懇親会を比べるとどうもその線が強いのではと疑ってしまいます。
 ただ、歴史な問題で中韓から撤退する多くの日本企業のことを考えれば、高高度防衛ミサイル(THAAD)で難航する中韓の政治的問題解決への糸口の方が見つけやすいかもしれません。

 最後少し辛口のニュースになってしまいましたが、せっかく静岡空港と結ばれた煙台市なので観光も経済でも交流が深まってくれることを願います。

注1) 人民政府とは日本の市役所にあたります。
注2) ワイヤーハーネスとは電気を伝える電線のことで、自動車のエンジン回りにある電装品です。
注3) 徐福は約2200年前の秦の時代に山東省で生まれたとされます。長く仙人としての伝説でしたが、国が違う日本や中国国内各地で伝承されているため研究が進み、現在では実在した人物とされています。但し伝説は全国各地に広がっているため、日本の弘法大師と同じで交通手段の無い当時ではかなり無理があるでしょうね。