真夏日となった昨日の日中、自宅に庭に出ると地面を這う昆虫を発見。
コガネムシ?と思い見てみるとセミの幼虫が「えらいこっちゃ!時間を間違えてもうた」と呟きながら羽化するための木を探していた。
 セミが羽化するのは日が暮れてから深夜までとほぼ時間が決まっている。夜明けまでに飛べるようにならないと鳥などに捕食されてしまうからだ。
羽化場所を探す幼虫

羽化場所を探す幼虫


しかしこのセミは時間を間違えてしまったようで、日中に地表に這い出してしまったようだ。この時間帯の羽化は失敗するケースが多い。そもそもセミの羽化は相当な体力を必要とするそうで、成功確率はおよそ6割と言われ4割は羽化に失敗する。
 理由は体力不足、木からの落下、羽化する木の枝までたどり着けなかったなど。
それを知っていた私は、本来人の手を入れてはいけないのだが時間を間違え慌てふためく幼虫を木の根元にそっと移すと、水を得た魚(セミですが)のように木をよじ登り地上90cmで動きを止めた。
羽化開始(エビぞり)

羽化開始(エビぞり)


地上90cmは外敵に襲われない高さらしいが、なぜ90cmかは不明だ。セミ(時に幼虫)はまだまだわからない部分が多い昆虫なのだ。
羽化が始まるとまず幼虫の背中が割れる。そこからエビぞり(セミですが)しながら抜け出し逆さ吊りになる。この逆さ吊りシーン(写真参照)だけはシュールで昆虫嫌いの方は見るのもおぞましいと思う。

羽の広がりを待つ

羽の広がりを待つ


その時点ではまだ羽がクシャクシャなのだが待つこと1時間くらいで羽が広がり羽化は終わる。しかし飛び立つにはまだ早い。身体が白っぽいうちは鳥などに捕食されやすいため色が黒く変色するまで数時間(今回は時間を間違えたため一昼夜)必要とする。
羽化終了

羽化終了


完成形(クマゼミ)

完成形(クマゼミ)


羽化に要する時間は約3時間ほど。個体として完成するに半日ほどだ。
 完成したセミは見事なクマゼミだった。クマゼミはもともと南方系セミのため私が子どもの頃は非常に珍しく捕まえた時にはヒーローだったが、ここ4~50年の間の気温上昇(地球温暖化)によって今ではアブラゼミやニイニイゼミより個体数が増えた種類である。

 今年はまだセミの鳴き声を聞いていないと思っていたが、いよいよ夏本番を迎えようとしている。
 大型のクマゼミやミンミンゼミ、アブラゼミの鳴き声は単体でも電車の中の音レベルなのだから合唱したらたまらない。
 私は羽化したクマゼミに「頼むからうちの庭で鳴かないでね」とお願いした。