大人気・台湾パイナップルを食べてみた!
 ブルジョア(貴族・有産階級)家庭に育った私は、子供の頃に風邪をひいた時だけ“婆ぁや”がバナナを買ってきてくれた。
反対を言えば風邪をひいた時にしかバナナは食べられない高級品だったため「バナナの叩売り」と言う言葉が不思議だった。
同時にパイ缶(パイナップルの缶詰)も同様で、父親がなけなしの小遣いを捻出するためのパチンコで出た(勝った)日のハシ(端切)でパイ缶を持って帰って来た日には普段貧相な父親がウルトラマンに見えた。
しかしそのパイ缶は何のラッピングもされておらずメーカーも産地もわからないブリキ缶詰で、今なら完全に包装規格でアウトになる安価なパイ缶だったことを覚えている。
 我が家ではギャンブル好きの父親の発案で、毎回たった1缶のパイ缶をジャンケン又はあみだくじで4人に分配した。
 1缶5枚入りのパイナップルを1位は2枚、2位は2枚と取り分け作業、3位は1枚、ハズレの一人は缶切り作業とシロップだけの不公平な分配だった。
いま思えば完全無欠のクソ親父だ。
 そのような訳で、私にとってバナナは高級品でありパイナップルは激闘の末に勝ち取る戦利品であり「三つ子の魂百まで」と言われるように大人になってもバナナとパイナップルは大の好物。特に台湾の「台湾バナナ」と「台湾パイナップル」「パイナップルケーキ」は今でも台湾出張の度に露店で購入しては楽しみに1人食いしている。
台湾パイナップル
台湾パイナップル
そんな台湾パイナップルがいま苦境に立たされているという。
主要輸出先の中国で害虫が検出されたとの理由で3月1日から禁輸したのだ。
本当の理由は経済制裁なのだが、そこに日本が救いの手を差し伸べ今月から日本のスーパーマーケットにも並び始めたのだが、これが当たって現在品薄になるほどの大人気だという。
 フィリピン産より値段は2倍ほどするが、「芯」まで食べられる台湾パイナップルを私も買って食べてみた。
 甘味が強すぎるほど熟れていて確かに芯まで食べられるのだが、今回購入したものは残念ながら海上輸送の温度管理が間違っていたためか芯が茶色に変色していた。
 パイナップルはバナナや他の果物と違い収穫まで畑で熟れさせるため、収穫後の温度管理が難しいのだ。
台湾パイナップルに満面の笑み
先日、安倍前首相が台湾産パイナップルを食べた様子をツィートし、蔡英文台湾総統が「足りなければいつでも送ります!」とリツィートしていた。
 昨年ステイホームを促すために優雅な私生活をツィートした安倍首相に、全国から「貴族か!」と批判されていたが今度は高価な台湾パイナップル5個に満面の笑み。
 それに比べて我が家は“清水の舞台”どころか東京スカイツリーから飛び降りる覚悟で買った、たった1個のパイナップル…。
 ジャンケンかあみだくじで分けようかとも考えたが、童話『一杯のかけそば』を思い出し均等に分けて食べた。(クソ親父にならずに済んだ…)
 プロレタリアート(労働者・無産階級)の家庭に育った私にはこれくらいが丁度いい。
 最後に安倍元首相に一言いたい。「貴族か!」