感動した。べつに息子を勘当(かんどう)したのではない。
先日通勤途中に立ち寄ったコンビニエンスストア―の店先で、優雅に紫煙をくゆらせながら高級キリマンジャロコーヒーを飲みつつ何気に見た店頭掲示物に感動したのだ。
 そこにはモグラ博士を探す人探しチラシが張られていた。それも牧之原小学校2年生が一生懸命書いたと思われる手書き尋ね人チラシだった。
訪ね人(モグラ博士)
モグラのせいで小学校2年生3年生4年生が栽培する野菜畑がピンチに陥っているらしい。通常、コンビニエンスストア―の外ガラスに貼られているのはコンサート情報や地元のスポーツ少年団の団員募集掲示物なのだが、コピー用紙に手書きされた「お願い」「ピンチ」の尋ね人チラシは初めて見た。
 小学校2年生の子どもが一生懸命育てる畑が荒らされる危機を何とかしたいとの思いで作ったのだろう。
 私が小学校2年生だった時を考えると…、鼻水たらしながら通学路脇のスイカなどの果物を盗み食いしていたことしか思い浮かばない。
だからこそ今の時代にあってこれを書いた子供の純粋な心に感動したのだ。
 もし私がモグラ博士であったならば、即刻会社への道のりを牧之原小学校に変更していただろう。残念ながら私はモグラ博士ではないが、子供の頃に畑の中にトンネルを掘るモグラを捕まえてサングラスを掛けていないことを確認し、太陽を見ても気絶しないことを学習している。そういう意味ではひとよりも博士かも知れないが、この少年(少女かも)が探している博士は本当の博士なのだ。
 
 今の時代、何でもネットで検索し問題を解決する安直な時代。
大人でも子供でも何らかの問題が生じた場合、その解決方法を多方面から考察し自分の頭で考え、問題の原因を探ろうとしない社会が出来上がってしまっている。
 牧之原小学校の子どもが考えたモグラ博士探しは時代遅れの方法と思うだろうか?
私は素晴らしい考えだと称賛する。これを一生懸命書いた子供が将来、日本の農業を救ってくれる農学博士あるいは動物行動学の権威になっていることを期待したい。

※モグラ知恵袋
 モグラを漢字で書くと「土竜」。確かに畑のモグラが造ったトンネル(モグラ塚)跡は竜
の様にうねっている。ちなみにモグラは光を認識することが出来ないらしくサングラス
は必要ないらしい。納得だ。