私の趣味は城跡めぐりだ。
城址ファンと公言してから早40年、自慢できることは40年経った今でも4城址しか訪れたことがないことだ。(数より質なのだ)
ゴールデンウィーク後半、私のライフワークと公言してはばからない城跡めぐりよりも趣味の昼寝がそろそろ飽きはじめた5月5日の子供の日の朝、愛知県新城市にある長篠(ながしの)城址を見てみたいと急に思い立った。
なぜ急に長篠城址かは問題ではない。(暇をどう潰せるかが問題なのだ)
老体に鞭打ってまでも長篠城址を訪れたかった理由は、武田氏衰退のきっかけになった長篠の合戦跡を見なければ、このまま私自身が衰退してしまうのではないかと思ったからだ。
そんな重大な使命を帯びながら、お茶を濁す程度に5城址目を回ったという既成事実を造ろうと姑息な考えで訪れた愛知県新城市。
市の鳥はコノハズク(ふくろう)と言うだけあり、私の田舎よりさらに僻地だ。沿岸部より山間部の方が田舎と勝手に決めつけているのだ。

長篠城址入口看板

長篠城址入口看板


のぼり旗

のぼり旗

新城観光案内版

新城観光案内版

鳥居強右衛門

鳥居強右衛門

長篠城址と古戦場を訪れ「夏草や 兵どもが 夢のあと」と、静かに深く450年前に想いを馳せ沈思黙考する自分の姿を想像しながら到着した長篠城址は、人であふれ、駐車場もないほどに混雑と渋滞をしていた。田舎と馬鹿にしていたことを後悔したが、なんと5月5日は「長篠合戦のぼりまつり」だったのだ。

これ幸いに引き返そうと思ったのだが、人のよさそうな観光協会の方に騙されて500円を支払う駐車場に誘導され、まんまと運転手つきのシャトルバスに乗せられ、遥かアフリカから日本の動物園に輸送されるサルの如く長篠城址までバス護送された。

護送されること20分、兵どもはどこにいる・・・状態の長篠城址駐車場では、数多く張られたテントで地元の食材を使った食べ物屋が出展し、家族連れや地元中学生、どこからか来たのかもわからない城址ファン(私もその一人)であふれていた。
戦国時代に想いを馳せ、一人静かに紫煙をくゆらせながら鼻毛でも抜こうと考えていた私の野望はみごと外れた。
しかし・・・。
声が割れる下品な拡声器から流れる
「ただ今から、米沢藩古式砲術保存会の皆様による火縄銃演武が始まります」
の声に誘われ、城址奥の本丸跡に行くとそこには鎧兜に身を包み火縄銃を持った多くの武将の雄姿があった。
以前テレビのニュース番組で見た長篠城火縄銃演武がこれだったのかと思い出した。

 火縄銃の講釈をたれる軍団代表者に続いて放たれた火縄銃は、銃と言うより大砲に近い轟音で、日頃ウグイスの鳴き声を友とする私には心臓に毛が生えるかと思うほど驚いたことは言うまでもない。

長篠鉄砲隊

長篠鉄砲隊


米沢鉄砲隊

米沢鉄砲隊


最高齢鉄砲隊

最高齢鉄砲隊


地元長篠鉄砲隊

地元長篠鉄砲隊

長篠鉄砲隊登場

長篠鉄砲隊登場

米沢鉄砲隊登場

米沢鉄砲隊登場

米沢鉄砲隊立撃ち

米沢鉄砲隊立撃ち

水平撃ち

そろい撃ち

三段撃ち

三段撃ち

水平撃ち

水平撃ち

あとで聞いた話では、米沢藩の火縄銃は口径が大きく破壊力が強いのが特徴だという。ならばなぜ長い講釈の中で轟音に注意と説明しないのかと憤怒のクレームを入れたかったが、そこは私は大人である。

何事もなかったように深くうなずき、隣の人に「さすが米沢藩の火縄銃ですね」と静かに語りかけると、「実際に使われたかどうかはわかりませんがね・・・」と冷たい言葉が返ってきた。

よく見ると黄色の揃いのジャンパーを着たスタッフだった。

盛り上げ方を知らないスタッフだ。

 

米沢藩に続いて地元長篠・設楽原鉄砲隊による火縄銃演武と続き、午後3時過ぎにすべてのプログラムが終了した。

手際よくかたずけられる祭り会場は、夏の終わりと同じで急に静かさを取り戻す。

長篠城土塁跡

長篠城土塁跡

本丸跡

本丸跡

史跡保存館

史跡保存館

長篠城址石碑

長篠城址石碑

私は人がまばらになった会場に隣接する資料館やお城の土塁跡、遠くに霞む武田軍本陣跡を眺めながら一人450年前に想いを馳せた。

時代を席巻した武田騎馬軍が、織田・徳川連合軍の最新鋭の鉄砲隊に何度も立ち向かい、なす術なく倒れ滅びてゆく。

 

「夏草や 兵どもが 夢のあと」

 

 

※後記

長篠で思いがけないお祭りに出会いましたが、新城市はまた訪れてみたいと思わせる自然にあふれた素晴らしい観光地です。

新東名新城IC前には地元の物産品を販売する道の駅「もっくる」が人気で、奥三河・湯谷温泉も人気の温泉地です。また今月には芝桜まつりも開催されます。

愛知県と言っても浜名湖の北北西に位置する東愛知の新城市は、新東名を使えば静岡ICからも1時間ちょっとの日帰りコース。浜名湖周辺(舘山寺温泉など)観光と合わせた1泊2日ののんびり旅行も出来るお薦め観光地です。

次回の旅行候補にいかがですか。