クリスマスの幸福と灌仏会(かんぶつえ)の憂鬱

サンタガーデン

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今日はクリスマスイブ。
世界最大宗教であるキリスト教のイエス・キリストの誕生日を祝う行事だ。正確には誕生日ではなく誕生を祝う行事で、全世界で20億人近い信者がお祝いする。
 今や日本でも若者を中心に最大級のイベントになっているクリスマスだが、なぜこれほどまでのイベントになったのか2分ほど熟考に熟考を重ねた結果、「おしゃれ」だからと結論付けた。
某ホーム

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日本人はもともと舶来品信仰が強い上に横文字がカッコいいと思いがちだ。
一張羅の洋服を身にまとってイルミネーション輝く街を歩き、彼氏彼女とのデートにプレゼント交換・・・。洒落たクリスマスソングのBGMが流れるイタリアンレストランでワインを傾ける。
信仰とは全く無縁のイベントになっている。悪いとは言わないが違和感を感じる。
しかし、クリスマスは雑貨一つをとっても実際「おしゃれ」なのが悔しいところだ。

しかるにクリスマスがこれだけ盛り上がっているのに、お釈迦様の誕生日を知っている人はほとんどいない。仏教会にもお釈迦様の誕生日(4月8日)を祝う灌仏会(かんぶつえ)という立派なイベントが各寺院で行われているのに人気がない。
灌仏会などという難しい呼び名を変えて「花まつり」と呼び、庶民に親しみを持たせようとしているが残念なことにその存在さえも知られず努力も報われない。
 実際の灌仏会を見てみると、花で飾ったお釈迦様の小さな像に参拝者が甘茶をかけてお祝いする洒脱な行事だ。。
人々から見れば「だから何?」状態なのだ。

日本人にとっては新興宗教であるキリストのイベントがこれだけ盛り上がるのはバレンタインデーのような経済効果が見込まれることも一因なのだが、灌仏会の経済効果部分だけをみればお釈迦さまや経典を利用しても売れるのは線香とお札くらいなものだろう。
いっそ仏教会も花まつりには坊さんがネズミのキャラクターに扮して、8ビートを刻む木魚に合わせてパレードする。もちろんお経は英訳だ。暗いイメージのお寺は色とりどりの電飾で飾るのもいい。
 
 私は敬虔な仏教徒だ。12月になるといつも何とかしてこの灌仏会を憂鬱という二文字の呪縛から解き放ちたいと思っている。
そこで私はこの問題と真摯に対峙し、解決策を模索すべく今日は早めに自宅に帰り、JAZZで奏でるクリスマスソングを聞きながらケーキとチキンを食べ、解決策をゆっくり考えてみることにした。