目には青葉 山ほととぎす 初鰹

新茶・牧の原
牧之原台地は私の通勤路。毎朝見る茶園景色が一段と華やかになるこの季節は、年間通じて一番好きな景色だ。
花粉症と無縁の私は車の窓を全開にして走る。カーラジオからヴィバルディの『春』でも流れようものなら気分も高揚するのだが、そうはいかないところが現実。
 春風を感じながら・・・とも言いたいところだが、実際の春はほとんどが春疾風(はるはやて)と言って強風が吹いている。
時折晴天に恵まれた日には新緑が目に優しく、思わず「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」(注1)の句が思い出される。
 「青葉」「ほととぎす」「初鰹」と、夏の季語が三つも入った最強の春の句である。
 静岡県に住んでいると、新緑=新茶だ。ホーホケキョと囀るうぐいす(注2)も問題ない。カツオも御前崎を筆頭に初鰹も戻り鰹もバリ勝男も食すことが出来る。ある意味最強の県である。

一番茶の初取引

先日24日、静岡に初夏の到来を告げる一番茶の初取引が「静岡茶市場」で行われた。
聞くところによれば、1956年の市場開設以来、最高値となる1キロ当り108万円の値が付いたという。手もみ新茶のご祝儀相場だが、今年のスタートはまずまずと言ったところだ。
連休明けに最盛期となるが、それまで牧之原はじめ静岡県中西部地域ではお茶刈風景と、そこかしこに漂う「火香」と呼ばれる製茶の最終工程(乾燥火入)で出る香りで包まれる。

茶畑

今年のゴールデンウィークは最長9連休。初夏を感じに、ちょっとしたドライブで茶園を巡ってみるのもいい。しかしその際気を付けることは

1. 車の窓は全開にすること
2. BGMにはヴィバルディ
3. 無料の火香だけを楽しむのではなく、新茶を購入し自宅で余韻を楽しむこと
4. 昼食は御前崎漁港付近で初鰹を食すこと
5. 助手席は美しい春風のような女性(男性)が望ましい

以上四点さえ気を付ければ問題ない。
皆さんの結果報告をお待ちしたい。


注)1.「目に青葉」✕ ➟「目には青葉」○
  2.間違えやすいが、うぐいすの鳴き声は「ホーホケキョ」。メジロは「チーチュルチー」、ほととぎすは「トッキョトキャキョク」