花便り

若い頃は花より団子で草花に何ら興味もなく、どちらかと言えば柿やビワやミカンなど木になる果実「木本性(もくほんせい)」だけに関心があったのだが、人生も折り返し地点を過ぎ下り坂に差し掛かると見て楽しむ花々に関心が移ろう。
各地市町村にある「○○市花の会」に年寄りばかりということが証明している。
自分がまさか一銭にもならない花を愛でる人間になろうとは思ってもみなかったが、例にもれずいつの間にか私も「花咲か爺さん」になっていた。

新型コロナウイルス蔓延による外出自粛で、ガーデニングを始める人々が増えたと聞く。
都会のマンション住まいの人でもプランターで花や夏野菜を始めた方もいるらしい。
じじばば仲間が増えて良いことだ。
今日はいまが見ごろの我が家の庭の花を紹介させていただこう。
トップバッターは

◎アメリカンジャスミン(和名:ニオイバンマツリ)

アメリカジャスミン(ニオイバンマツリ)

アメリカジャスミン(ニオイバンマツリ)


下田にある「了仙寺」(別名ジャスミン寺)が有名。独特な甘い香りがあり、紫色の花は
時間と共に退色し白になるため香りと共に色の変化も楽しめます。

◎アルストロメリア

アルストロメリア

アルストロメリア


花びらに線条や斑点が入りエキゾチックな人気の花です。花もちが良く切り花やアレンジ
メントとして飾っても良い。プランターでも簡単に栽培できます。

◎ホリホック(和名:立葵)

ホリホック(立葵)八重咲

ホリホック(立葵)八重咲


まっすぐ育つ姿から立葵(たちあおい)と呼ばれ、花が穂状につきます。梅雨入り頃に咲
き始め梅雨明け頃に終わる開花期の長い花です。梅雨の花の代名詞紫陽花と一緒に楽しま
せてくれます。

◎箱根空木(ハコネウツギ)

箱根空木(ハコネウツギ)

箱根空木(ハコネウツギ)


箱根空木(ハコネウツギ2)

箱根空木(ハコネウツギ2)


日本各地の海岸近くに自生する落葉低木。名前に箱根と付きますが箱根にはわずかしか自
生していない不思議な花です。白い花が次第に赤に変化する楽しみがあります。

◎山法師(やまぼうし)

山法師(やまぼうし)

山法師(やまぼうし)


シンボルツリーとして人気の落葉高木です。花は白やピンクがあるが我が家の山法師は白
とピンクが混在しています。花弁のように見えるのは実は総苞片(花の付け根の葉)で、
花・実・紅葉が楽しめます。実は甘くジャムや果実酒にもなります。

◎バラ(品種:ニュードーン)

ばら(ニュードーン)

ばら(ニュードーン)


バラ(ニュードーン)

バラ(ニュードーン)


つるバラの先駆的品種でニュードーンとは「新しい夜明け」。名前の通り淡いピンクの大
きな花を咲かせます。世界バラ会議で殿堂入りした新種でこれぞバラ…という香りがしま
す。一本の蔓が3m位に伸び多くの花を咲かせます。

◎ゼラニウム

ゼラニウム

ゼラニウム


四季咲きの種類も多く開花時期も長いことから花壇や寄せ植えに最適です。
むかしまだ花に興味がない頃、スイスを旅した時に家々の窓辺を飾る赤い花に感動したことがありました。特にツェルマットの山小屋風の家を彩るゼラニウムの赤と雪を抱くスイスアルプスの白は今思い出しても素敵な風景。ゼラニウムやペチュニアはきっと自宅や庭をあでやかに飾ることが出来ます。

気持ちの問題なのだろうが、同じ桜でも若い頃は満開の桜に心躍らせ花見の宴を満喫するが、人生の半ばを過ぎる頃になると桜の花に人生の悲哀を感じるようになる。
花を見ても「きれい」としか思わなかった若者が、いつの間にか自分で育て綺麗な花が咲くことに喜びを感じるようになる。
風流を語る際の枕詞でもある「花鳥風月」の最初の一文字が花であるように、人は歳と共に花に風流を想う気持ちが生まれるのかもしれない。