記念セミナー「戦国大名 今川氏の実力 -実はこんなにすごかった-」

記念セミナー「戦国大名 今川氏の実力 -実はこんなにすごかった-」
 12月4日(月)グランシップで(公財)するが企画観光局主催の設立記念セミナーが開催されました。
 今年は静岡観光コンベンション協会から名称を変更した記念として、2019年に誕生500年を迎える今川義元公を取り上げてのセミナーです。
講師はテレビでもおなじみの静大名誉教授の小和田哲男先生と言うこともあり、先着100名予定がすぐに満席になり、急きょ300名まで会場を広げたとのことです。
先生は今年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の時代考証も担当していることから、構成段階での裏話を交えつつ、今川氏の家系から義元が討ち取られる桶狭間の戦いまでを約1時間にわたり解りやすく解説してくれました。
 
戦国大名としては人気がない義元

 戦国大名としては人気がない義元。一般的には公家かぶれで蹴鞠などを楽しむダメ武将の烙印を押されていますが、実は結構な実力の持ち主であったらしいのです。
 有名な桶狭間の戦いで打ち取られた際にも、馬ではなく塗輿(ぬりこし)と呼ばれる輿に乗っていたがために討ち取られてしまった義元ですが、塗輿に乗ることが唯一許されていたのは数ある戦国武将(大名)の中でも義元だけで、それを誇示するために戦場でわざわざ輿に乗ったのが命取りになった、など興味深い話が多く聞かれました。

 セミナー開始前には、サプライズで静岡市観光親善大使であり、大河ドラマでも今川義元役だった春風亭昇太師匠からのビデオレターも紹介され、「よその県出身の徳川でなく、地元の今川を応援しまよう!でも、どうして私を呼んでくれないの!」と、会場を笑わせるレターも紹介されました。
 また、会場には今川義元をモデルにしたキャラクター「今川さん」も登場しました。ちなみに、涙を流しているのは信長に打ち取られた悔し涙ではなく、地元静岡でも誤解され、応援されないから涙を流しているそうです。
そして浜松の家康くんに対抗してのキャラクターですが、「君」付けでは失礼なので敬意を表して「さん」付けにしたそうです。

 確かに地元静岡でも今川よりどちらかというと家康の方が人気があります。考えて見れば駿府城や東照宮、浅間神社、浮月楼など徳川に関する史跡は数多くあれど、「海道一の弓取り」と呼ばれた今川義元に関するものは何もないのが現状。その上、戦国時代の「負け組」と呼ばれれば仕方ないですね。
 でも、そんな負け組でも徳川の時代になってもしぶとく生き残ったのはすごいことです。

静岡商工会議所と静岡市はキックオフ事業「今川復活宣言!」を開催し、今川家の誤解を解き静岡を盛り上げる活動を行っています。
徳川と今川の協力タッグでこの静岡に新たな歴史の光があたる日も近いかもしれませんね。