雨の匂い

雨の紫陽花

雨の紫陽花

雨の紫陽花


記録的なスピードで明けてしまった今年の梅雨。
雨が降る日の外出はイヤだけど、雨自体は嫌いではない。特に梅雨時期の6月に咲く紫陽花(あじさい)に雨はよく似合う。そして雨の匂いも悪くない。
特に雨の降り始めに立ち上るアスファルトの油くさいような匂い、土や枯葉のすえたような匂いは、何となく保育園や幼稚園、小学校時代の懐かしい郷愁を呼び覚ます。
いい匂いでもないが悪くもないのでついつい大きく息を吸ってしまうこともある。
雨滴

雨滴

そんな雨の降り始めの「雨の匂い」に名前があるのをご存知ですか?
最近では歌手・米津玄師が歌っている曲名で知っている方もいるかもしれませんが、雨の降り始めの匂いのことを『ペトリコール』っていいます。
ギリシャ語で「石のエッセンス」という意味らしいのですが、ポエムの題名みたいでなんとも美しい名前です。
でも科学誌「ネイチャー」の論文で発表されたと言うからホントの話。雨の匂いに郷愁を感じるのはどうやら世界共通のようですね。

 でも私が驚いたのは雨上がりの匂いにも名前が付けられていたこと。
雨降の降り始めの匂いと雨上がりの匂いは確かに違います。雨降りの匂いはどちらかというと油性、雨上がりの匂いは水性の匂いがします。水性の匂いと表現したのは土や草、枯葉に取り込まれた雨がバクテリアに分解されたような、埃くさいような・・・。
 そんな水性の雨上がりの匂いの名前は『ゲオスミン』と呼ばれるそうです。
雨降りの匂い『ペトリコール』の優雅な名前と違い、化学的な響きを持つ『ゲオスミン』。まるで農業用殺虫剤スミチオンやオルチオン、トップジンのような名前ですがやはりギリシャ語由来で「大地の匂い」なのだそう。
 
 梅雨は明けてしまいましたが、雨が降った時には「あっ、ペトリコールだ!」。雨上がりには「う~ん、ゲオスミンだね」なんて意味を感じながらうんちくをつぶやけば、雨の憂鬱も少しは和らぐかも・・です。

◯後記…梅雨(つゆ・ばいう)。
どうして梅の実の収穫が終わった後なのに梅に雨と書いて「つゆ・ばいう」なので
しょうね。梅雨どきの花と言ったら絶対にアジサイなのですが。
紫陽花雨と書いた方が何となく気分も晴れやかになると思いませんか?
もしかしたら気候変動で梅雨がずれたか紫陽花の開花がずれたのかも。