ヤモリ(家守)
先週の土曜日、庭の花や蕾を食い荒らすナメクジを退治しようとナメクジバスターズを名乗って深夜の庭に出動した。
夜行性のナメクジ退治はライト一つで庭中をうろつくため、ともすれば通行人に通報されかねない危険な仕事なのだが、梅雨前に退治しないと大量発生してしまい人間に害をもたらす寄生虫もいるので仕方がない。バスターズ出動から15分ほど経った頃、花の鉢の側面をチェックしていたら超BIG(遠州弁で「どできない」)なヤモリを発見した。
ヤモリは漢字で「家守」と書くように家の害虫を捕食してくれるため縁起のいい爬虫類。そしてイモリは「井守」と書いて井戸や田んぼを守ってくれる両生類で、NHKでブラブラしているのはタモリで哺乳類。
爬虫類と両生類の違いは肺呼吸か皮膚呼吸の違いなのだがそんなことはどうでもいい。言いたいことは体長Max15cmと言われるニホンヤモリだが、今回姿を現したのは20cm超えの巨大ヤモリだった。

巨大ニホンヤモリ
最初ライトに照らされた姿を見た時小型イグアナと思ったほどだったが、そんなバカなと手足の指を見たら吸盤状だったためヤモリと確信した。ヤモリも10cmくらいなら可愛いしおとなしいし毒もないし噛まないので手に載せてもいいが、ここまで大きいとさすがにその気は起こらなかった。
余談だがヤモリはあの吸盤状の指を使ってツルツルのガラスも張り付くように登っているように見えるが実は吸盤ではなく手のひらに細かな毛が生えていて、その毛とガラスの分子が引き付けあう「ファンデルワールス力」と呼ばれる相互作用でくっついたり離れたりするそう。ここまでくると分子だの原子だの電子だのという物理学の話になるので割愛するが、要するに磁石のようなものと考えればいい。
小さな我が家を守るにはあまりにも巨大なヤモリだったが、そのぶん我が家に大きな幸せを運んできてくれたらと期待している。
生き物とは本当に不思議なものだ。
注)
ヤモリは無毒ですが、イモリはテトロドトキシンというフグの毒で有名な強力な神経毒があるのでお気を付けください。触れても大丈夫ですがその手で目など触ると危険です。また熱で分解されないので焼いても食べられません(笑)。