浙江省・静岡県観光セミナー&観光交流会

浙江省旅游局(政府観光局)主催の浙江省観光セミナー&観光交流会がホテルアソシアで開催されました。

浙江省・静岡県観光セミナー&観光交流会
浙江省旅游局(政府観光局)主催の浙江省観光セミナー&観光交流会がホテルアソシアで開催されました。
中国浙江省旅游局副局長 傳徫副局長を団長とする20名の観光促進訪日団による浙江省観光キャンペーンです。
ここ数年、中国からの訪日客数が年々増える半面、訪中する日本人観光客が減少しているため、「ぜひ浙江省にお越し下さい」と、日本の行政・旅行社・組織団体を対象にした浙江省の訪中誘致活動です。

浙江省・静岡県観光セミナー&観光交流会

中国側は、駐日本大使館総領事や国家観光局駐日本代表、浙江省・台州市・温州市・寧波市・溫岭市・麗水市・天台県・遂昌県など各市県の旅游局が参加し、日本側は牧之原市長はじめ県や日中友好協会、組織団体(舞踊協会・茶道連盟・太鼓連盟・合唱連盟・サッカー協会・空手連盟・華道連盟・レクレーション協会など)、県内旅行業者など55名が参加して行われました。

 

浙江省・静岡県観光セミナー&観光交流会
 1982年に静岡県と浙江省が友好都市提携をした際は、今の状況からは想像できないほど訪日中国人観光客は皆無で、反対にNHKが放送した番組「シルクロード」の影響で日本人訪中旅行客が急増した時です。
80年代の中国は文化大革命(1966年~1977年)が収束し、混乱の時代から急速に開放に向かい、人民公社が解体され未開放都市も開かれたために多くの観光客が訪れました。
1989年には天安門事件が発生し暫くは旅行客が減ったものの、それでも中国を訪れる日本人観光客は2000年代まで増え続けたのです
しかし2010年を境に、尖閣諸島はじめ政治的な問題などにより中国イメージが悪化し、現在の訪中旅客数は2010年当時の半分以下になってしまいました。
このような現状から、多くの観光地を有する浙江省旅游局はまず友好都市である静岡県から多くの方に浙江省に訪れてもらおうとした誘致企画で、セミナーに続く交流会では大阪から呼んだ民族楽器の演奏など、中国らしい演出で参加者一同交流を深めていました。
今日のニュースでも、今年初めて訪日観光客数が2000万人を突破したと報道されていました。
観光業界のみならず飲食業、商業施設がビジネスチャンスと見てこぞってインバウンド誘致に動いていますが、私は決して手放しで喜ぶべき状況ではないと思っています。
インバウンドに期待するということは、反対に日本人が海外旅行(アウトバウンド)に行くだけの元気(余裕)がなく、受け身の期待であって有事の際には大きなダメージを受けることになりかねません。
旅行業も海外旅行・訪日旅行・国内旅行とバランス良い形態が理想ですが、現在そのバランスが崩れているのが現状で決して業界は健全な状態とは言えません。
インバウンドに過度の期待をせず、たまには海外に目を向ける、そんな中庸も大切であることを改めて感じたセミナーでした。