八十八夜とお茶界隈(かいわい)

牧之原大茶園の八十八夜の様子
♬夏も近づく八十八夜~♬と言うわけで今日5月1日は八十八夜。
立春から数えて八十八日目で夏が近づいてきたなと実感する時期なのですが、今年も4月中旬には夏日を記録し、場所によっては真夏日も観測されましたね。今年の猛暑が思いやられます。
静岡県が誇るお茶ですが、2024年荒茶生産量で1位から陥落し鹿児島県にその座を譲ったと話題になりましたね。記録が残る1959年から首位を維持してきましたが、この間に生産量10倍の差を埋められついに2位転落となりました。お茶業界もさぞ落胆したに違いありません。
お茶の衰退は日本人の食生活やスタイルが変わったことが一番の原因なのですが、静岡県が高い品質とブランドにしがみついて世の中の変遷に置いてゆかれたのも大きな原因の一つに挙げられます。
弊社が生業とする旅行業界も、かつては旅行の専門職(プロ)の集団で豊富な知識と経験を切り売りしながらの仕事で、バブル期は学生のつきたい職業ベスト5には必ず入っていたのですが、90年代に入りパソコンが普及したことによって旅の経験と知識はあまり価値がなくなってしまいました。
お茶業界もペットボトルの出現によって、手軽に飲めて購入できるお茶が身近にあればわざわざ急須で入れるリーフ茶は面倒なお茶扱いになってしまいました。
しかし豊富な経験と知識によるアドバイスを受けた旅行が一線を画す旅同様に、クオリティーの高い茶葉で淹れたお茶がペットボトル茶と同列で評価されるものではないことは明白です。
ではどうしたらいいのか…と、1分ほど熟考した結果、Z世代と呼ばれる若者言葉の『界隈(かいわい)』が閃いた。団塊の世代からしらけ世代に移行する時代の私もZ世代が使う“界隈”は理解できないが分からなくもない。この界隈という言葉、世間一般では「その付近一帯」という意味で使われるが、Z世代では広義的に推し活やアニメ、オタクなどコミュニティーの場で使われることが多く、ある意味一つの言葉、意味にとらわれることがないフリーダムなプロモーション活動と言える。
そういう意味ではお茶業界も旅行業界もこれまでの常識にとらわれられない新たな角度からカスタマー界隈にアプローチしていく必要性が求められるのではないだろうか。
私も“旅行キャンセル界隈”などと言われないように新茶飲んで頑張ろ!