善光寺御開帳
七年に一度のご盛儀、長野善光寺の御開帳が開催されています。
絶対秘仏のご本尊の身代わり「前立本尊」を本堂にお迎えして行う「善光寺前立本尊御開帳」は、本来の数え年七年目にあたる昨年春に執り行われるところでしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今年に延期されました。
コロナ感染は高止まりを見せてはいるものの、今回の御開帳は通常のご開帳期間より一ヶ月延長し密を避ける形で開催されています。
ご開帳期間は末広がりの縁起を担いで4月3日(日)~6月29日(水)の88日間です。
“牛に引かれて善光寺”ならぬ車でヒュィーンと訪れた5月18日午前の善光寺。
すでに門前町は多くの参拝客で賑わいを見せ、ご本尊の身代わり『前立本尊』の右手中指に繋がれた【善の綱】が結ばれた回向柱に触れることでご縁を結ぼうとする参拝客が列を作っていました。
コロナ禍ならではのプチ情報ですが、今年の回向柱は多くの信者が触れるため信州大学が開発をした「抗ウイルス・抗菌効果光触媒コーティング」がされていると言われています。
コーティング剤越しに本尊とご縁を結ぶのも時代を反映して面白いですね。
善光寺は開山以来1400年の間、宗派にとらわれない無宗教として知られ、誰でもがお参りできる(むかしダライラマも参拝しています)と言われていますが、現在の運営は天台宗と浄土宗によって行われているようです。
よくニュースで見かける赤い傘が並び、絢爛豪華な法衣をまとったお坊さんたちが行列を組み本堂で行う大法要は、天台宗と浄土宗の2回執り行われます。
参拝に訪れた日はプチ法要でしたが、それでも信仰心の厚い方々は手を合わせ本堂に向かう僧侶を迎えていました。
信仰心は人それぞれで、時には人を救い時には戦争という悲劇を生みだします。
しかし宗教はどのような形であれ世界を平和にし人々を救うものでなくてはなりません。
いま世界は疫病や戦争をはじめとするさまざまな困難にさらされていますが、この世にはモノ(物体)しか存在しないという唯物論的な考えは捨て、精神的な心の安寧を得るには信仰は不可欠なものかもしれません。
「信じれば イワシの頭も 仏かな」 合掌