御前崎海鮮料理と海のキラめき
伊豆石廊崎よりも微妙に南に位置し、静岡県最南端の地として有名な御前崎。
静岡県民ならだれでも知っている場所といえば場所なのですが、何があるかと問われると「海、灯台…」その次が出てこない。「ないのかよ!」とツッコまれようが、ないものはない。少しだけ御前崎に親近感(愛着ではない)を感じる私が今日お勧めする御前崎の魅力を二つだけ紹介します。本当はたくさんある魅力的な観光地なのですが、どうしても三つめが出てこなかったからです。
では御前崎のおすすめ紹介です。
まずは何といっても海鮮料理。
なかでもカツオの水揚げ日本一を誇る静岡県のカツオは鮮度抜群。焼津港と御前崎港はその2大漁港ですが焼津は遠洋の冷凍物が多い反面、御前崎は近海物で鮮度は抜群なのです。
カツオはマグロに比べて臭みがあり苦手という方も多いと思いますが、それは鮮度と捌(さば)きの問題で、もし近海物のカツオを食べたら「なんじゃこりゃ!」と驚くと思います。高価なマグロの中トロ大トロを遥かに凌ぐおいしさなのです。
今日は御前崎に数ある海鮮料理屋の中でも大人気の「みはる」をご紹介します。
御前崎灯台から車で2~3分。静岡方面からは御前崎港やなぶら館のあるヤシの木通りを南下し駿河湾と太平洋が交差する岬の先端にある「海鮮料理みはる」。
昔は灯台裏の小さな食堂だったのですが今では県内外から多くの来客がある人気の食堂で駐車場も表裏合わせて20台程あります。
土日のみならず平日の昼時も順番待ち覚悟が必要。この日私が食べたのは日替わりお薦めメニュートップのスマガツオ定食。数あるカツオの中でも「幻のカツオ」とか「カツオの大様」と呼ばれる今が旬のスマガツオ。芳醇な脂ののりはマグロのトロをしのぐ旨味があり絶品。
厚切りの刺身とあぶりの二種盛り1,000円。定食はプラス500円で味わうことができます。その他人気の海鮮丼や各種刺身定食など多くのメニューがそろっていますがどれもボリューム満点のおすすめ海鮮料理です。
もう一つの魅力は…ジャン!海です。「はぁ?」の声が聞こえますが何か?
私が思うに御前崎灯台から食堂みはるに繋がる場所はちょうど駿河湾と太平洋が交差する海で、海の色は見る場所(角度と深度)によってグラデーションから乱反射、偏光を見ることができ、景色や風を含めて明らかに伊豆とは違う絶景です。
ひる頃に東(伊豆方面)を見ると写真のような富士山や海のグラデーションが見られ、西を見ると水面の乱反射と偏光を煌(きら)めきとしてみることができます。
余談になりますが高校時代、私の友人U君が好きな女の子を御前崎灯台に呼び出し
U君「海はなぜ青いか知ってる?」
彼女「???」
U君「それはね…空の青さが海に映っているからなんだよ」
というデートのシュミレーションをして迎えた当日が台風でえらいこっちゃな日だったことを思い出す。
何が言いたいかというと、空の青さは「レイリー散乱」と言われる光の散乱、海の青さは水による光の吸収(太陽光スペクトル)に関係し、空と海の色は全く関係がないということ。
つまり御前崎の海と空の色は、見る方向と風(気象状況)と深度の違いが一度に同じ場所で見ることができるため眺める方向によって違った美しい景色が見られるということなのだ。
最後に是非みなさんにお勧めしたいのは、日々の仕事や生活に疲れを感じた時のストレス解消方法(今回は男性バージョン。女性バージョンについては私は男性なのでわかりません)。
- コーヒー(または紅茶)のハンドドリップ道具一式を車に詰め込む
- なにも考えず(雑念を捨て)、イーグルスのホテルカリフォルニアをかけながら御前崎に向かい出発する(窓は海風を感じるため全開が望ましい)
- 灯台付近の駐車場(数多くあります)に車を停めたらしばらく海を眺めた後に火をおこしコーヒーを淹れ、眉間にしわを入れながらそっとコーヒーを飲む
- 気が済んだところで岐路に就く。その時のミュージックはイーグルスのデスペラードがベター(あくまで個人的意見です)
御前崎は何もないところですが、使い分けで家族と海鮮料理を食べに行ったり、一人時間を楽しんだりと「何もないこと」を楽しむことができる場所です。
皆さんも海と空の青さを感じに出かけてみませんか。きっとそこにはお金では買えない何かを見つけられる場所だと思います。