梅一輪 一輪ほどのあたたかさ(伊豆下田)

下田開国博物館

下田開国博物館


明日2月4日は立春。
今年は暖冬なだけに、春を待ちわびるほどではないにしろ庭に咲き始めた梅の花を見ると心が和む気がします。
 先日行った伊豆下田でもそこかしこに春が感じられました。

乙女椿

乙女椿

白浜桜

白浜桜

アロエの花

アロエの花

ペリーロード「土佐屋」

ペリーロード「土佐屋」

旧澤村邸

旧澤村邸

了仙寺

了仙寺

12月から始まった「下田水仙まつり」は、御用邸で有名な須崎で毎年開催される花の祭典。最盛期は3百万本の水仙に彩られます。
今回は残念ながらすでに遅くちらほらと咲いているだけでしたが、そのかわりにあまり見ることのないアロエの赤い花が咲き誇っていました。
下田は水仙だけでなくアロエの群生地としても有名です。

下田市街地の「ペリーロード」は、黒船で来航したペリー提督が歩いて日米神話条約締結のための会場であった了仙寺(りょうせんじ)まで歩いた道。
現在は整備され洒落たカフェなど多くの観光客が散策を楽しむ下田の観光名所の一つに数えられています。
訪れた了仙寺には薄いピンクの「乙女椿」が咲き、八重咲の可憐な花はいかにも乙女の名にふさわしい花です。また了仙寺は全国で唯一の「アメリカジャスミン」の名所として知られ、5月にはアメリカジャスミンの正式名「匂い蕃茉莉(においばんまつり)」の名前のとおり境内に強いジャスミンンの香りを漂わせ、白と紫の花を楽しませてくれます。
その他、このペリーロードには「下田開国博物館」や「旧澤村邸」、江戸時代の回船問屋を改装してOPENしたSOULBAR「土佐屋」など十分半日遊べる観光地です。

白浜桜の里案内

白浜桜の里案内

伊豆の花と言えば一番有名なのは「河津さくら」。
でも2月上旬から咲き始める河津桜より早咲きの桜をご存知でしょうか?
それは「白浜伊古奈(しらはまいこな)」。なんと1月下旬から咲き始めます。今年は1月24日(金)~3月15日(日)まで下田の白浜桜の里で見ることが出来ます。

最近は新型コロナウイルスが原因で、人が多い観光地を敬遠して旅行を中止される方が多く見られますが春はすぐそこまで来ています。
人込みを避け、待ち遠しい春を一足先に伊豆で感じてみるのもいいかもしれないですね。

今回のテーマは「花」でした。
今日は最後に私が好きな詩人茨木のり子の「さくら」という詩を紹介したいと思います。
毎年桜の時期になるとこの詩を思い出すのです。
最後の二行に茨木のり子の世界観が凝縮され心の琴線に触れるのです。

さくら    茨木のり子

ことしも生きて さくらを見ています
ひとは生涯に 何回ぐらい桜を見るのかしら
ものごころつくのが十歳くらいなら どんなに多くても七十回くらい
三十回 四十回のひともざら なんという少なさだろう

もっともっと多く見るような気がするのは
祖先の視覚も まぎれこみ重なりあり 霞(かすみ)立つせいでしょう
あでやかとも妖しいとも不気味とも 捉えかねる花のいろ

桜吹雪の下を ふららと歩けば
一瞬 名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生はいとしき 蜃気楼と