徳川家康側室・お万の方供養塔と勝海舟の母・妹の墓
静岡県内には徳川初代将軍・家康や最後の将軍・慶喜ゆかりの地が多くあります。
駿府城はもとより浜松城や田中城、家康が眠る国宝・久能山東照宮は誰もが知る観光名所にもなっています。そんな数多くある家康ゆかりの地の中でもマイナーな名所を先日はじめて知りました。




それは静岡市葵区沓谷にある日蓮宗の寺院「蓮永寺(れんえいじ)」。
先日、立派な山門を構えたお寺の案内看板が目に留まり読んでみたところ、境内に徳川家康の側室だったお万の方(おまんのかた)の供養塔と勝海舟の母親と佐久間象山の妻となった妹のお墓があると書かれていた。
こうなると好奇心旺盛な私の足は山門を抜け本堂脇まで来ていた。今まで見たことがない御影石でできた案内版(塔)がある。道順に従い墓地を100mほど歩くとひときわ大きな石塔がありそれが徳川家康の側室・お万の方の供養塔。NHK大河ドラマ「どうする家康」では元SKEの松井玲奈さんが演じたので知っている方も多いと思いますが、お万の方は家康の側室であり紀州徳川家藩主・頼宣と水戸徳川家藩主・頼房の母であの水戸黄門はお万の方の孫にあたります。家康の死後、髪を下したお万の方は頼宣に引き取られるまでここ蓮永寺で家康を弔ったそうです。
そしてお万の方供養塔を過ぎて墓地の一番奥にある簡素なお墓が勝海舟の母(信子)と妹(順子)のお墓。
勝海舟は江戸無血開城後に旧幕臣として静岡に来ていたのは知っていたが、まさか母親と一緒に来ていたとは知らなかった。母信子は勝海舟と一緒に静岡に移り住んだが明治3年に静岡で病没したという。ではなぜ佐久間象山に嫁いだ妹も一緒に弔われているのかが疑問だったが、調べたところ夫佐久間象山を暗殺されてしまったおじゅんを不憫に思った親族がのちに母親と一緒に弔ってあげたのだそうです。
春に見上げる桜もいいが、日の当たらない野辺に咲く山野草にも趣がある…ということで今回は静岡市の知られざる徳川家康と勝海舟ゆかりの場所を紹介させてもらいました。
今回申し訳ないと思いながら勝海舟の母・妹のお墓の写真を撮らせていただきました 合掌。