中国茶業視察旅行

碾茶茶園視察

碾茶茶園視察

いよいよ年の瀬ですね。みなさんの2016年はどのような年でしたか。
2016年旅行事例も今回が最終回です。今年はあまり更新が出来ませんでしたが、来年はどんどん新着ニュースをお届けしたいと思いますのでご期待ください。

今回は鹿児島にある(有)西製茶工場さんの中国茶業視察旅行です。
鹿児島は茶葉生産量で全国2位の収穫量を誇る県です。トップは依然静岡県ですが、トップ3を見てみると

1位 静岡県  144,400t
2位 鹿児島県 110,900t
3位 三重県   32,600t

と、静岡・鹿児島は3位以下を大きく引き離す2大生産県なのです。
今回、懇意にして頂いている西製茶さんの茶業視察旅行として、中国 宜興市・上海市と視察訪問してきたレポートです。

鹿児島空港から中国東方航空機を利用して一路上海浦東国際空港に到着した一行は、専用バスに乗換え江蘇省宜興市へ向かいました。
地図で見ると上海のすぐ北側、太湖のほとりに位置する宜興市ですが、やはり国土が広いだけあり高速を利用しても3時間30分かかります。
参加した皆さんは、高齢化が進む静岡県の茶業会と違い全員若い方ばかり。この様子を見ると、生産者減が見られる静岡も近いうちに生産量も鹿児島に逆転されてしまうのではないかと心配してしまいます。
若い方が多いため車内の雰囲気も違います。これからの茶業界を背負う活気に満ち溢れています。

宜興茶園

宜興茶園

凍てつく茶葉

凍てつく茶葉

初日は移動、2日目からは視察です。江蘇省宜興市はお茶の生産地として知られ、そのため中国八大古窯と呼ばれる茶器などの焼物が有名な場所です。

紫砂壷(しさへい)は、焼き締めの常滑焼や備前焼などに共通するお茶を美味しく飲める茶器が発展しました。

この日は朝から寒く、視察した碾茶茶園の葉も凍り付き、あたりはモノクロームの景色が広がっています。

茶園の違いや製茶工場の違いなど、現地の方の説明に聞き入りました。

善巻洞

善巻洞


また、せっかく宜興市まで来たのだからと有名な観光地「善巻洞」の観光も忘れません。
善巻洞は日本ではあまり知られていませんが、中国4A級観光地の洞窟で最後は川幅6メートルを船で脱出します。日本にはない面白さですが、中国らしく洞窟の中が色とりどりにライトアップされているのは、桂林にある鍾乳洞と同じで少し興ざめな部分も中国らしくて興味深いところです。

東方明珠展望台より

東方明珠展望台より

南京路

南京路

午後は上海に移動し、上海の銀座と呼ばれる南京路散策や外灘(バンド)の夜景観賞。3日目は浦東区にある東方明珠展望台や豫園など観光。もちろん上海の有名な茶市場や日本茶を販売する上海伊勢丹などの視察も忘れていません。

 

今回、鹿児島の(有)西製茶工場の皆さんに同行し、生産性の悪い昔とは違う中国の新しい栽培管理方法や製茶技術などを視察し私自身も良い勉強になりました。

悪い悪いと言われる静岡のお茶業会ですが、過去の栄光と誇りは捨て、目先の利益にとらわれない、世界を見据えた長いスパンでの計画が必要ではないでしょうか。

そして(有)西製茶さんのように若い人材が集まる、そんな活気ある業界にしたいと思った研修旅行でした。

(有)西製茶・霧島農園の皆さん5日間ありがとうございました。