上海市教育局幹部一行が日本の教育現場を視察

上海市教育局幹部一行が日本の教育現場を視察
 長く続いた中国の「独生子女政策」(一人っ子政策)は、あまりにも長く続いたために弊害が出始め、昨年をもって36年の政策に終止符を打ちました。
36年前に生まれたお父さんお母さんも一人っ子、その子供も一人っ子。最近では早くに子供を亡くして年老いた両親と祖父母の4人の面倒を見なければならなくなる孤独と不安が問題視されています。


一人っ子は大事に育てられ、兄弟もいないことから他人とコミュニケーションをとることが苦手な子供たちが多く、中国の教育現場でも問題になっています。
経済成長が著しく、富裕層と呼ばれる家庭の子供は何でも買い与えられて甘やかして育てられ、少しでも良い学校に行こうと毎日塾通いでストレスが重なり、教育現場での「心のケア」が最近になってやっと議論されるようになったのです。

上海市教育局幹部一行が日本の教育現場を視察

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このような中国の教育事情から、今回上海市の教育局(日本でいう教育委員会)と上海市内小中学校の代表団が牧之原市を訪れ、西原市長や坪池教育長ら教育関係者との意見交換会をおこないました。日本の教育心理や家庭教育、教育制度の違いについて多くの質問があり、市長と教育長には黒板を使いて行政と教育の関係とあり方を説明して頂きました。
続いて榛原中学校の教育現場視察では、施設見学や音楽・社会・数学などの授業参観、先生方との学校教育についての意見交換会と、現場ならではの一歩踏み込んだ話し合いがもたれました。

上海市教育局幹部一行が日本の教育現場を視察

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同行していた私も、日中の教育の似て非なるものや教育現場の違いが判り大変勉強になりました。特に日本でも話題になる「モンスターペアレンツ」は、一人っ子政策の中国では教員にとって大きな問題らしく、親の評価が教師の評価になるために、多くの現場で親が満足する教育方針を模索しているとのことでした。
親の顔色を見ながら教育方針を変えるのもどうかと思うが、確かに修学旅行で日本を訪れる中国の学生団を見ていると、生徒に強く指導が出来ない教員が見られることは事実で、中国の教育事情には一人っ子政策が関係していると思われることが多々見受けられます。
そして公立の小中学校にもランク付けされ、学校自体もランクアップに腐心している現状など、あらためて中国の教育政策の難しさを実感しました。

上海市教育局幹部一行が日本の教育現場を視察

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近隣諸国には教育を政治利用する国が存在します。
教育はその時代の政治的背景が大きく影響を及ぼしますが、政権を保持するためのプロバガンダ的な教育は絶対にしてはいけないことだと思う。
どんな国であろうと世の中であろうと、平和を根幹に平等で道徳的な教育が与えられなければなりません。
子供の笑顔が平和な未来を作り出す、それが私たちが考えなければならない教育の基本なのではないでしょうか。