中国茶文化交流考察(視察)団が来日

茶摘み体験

茶摘み体験


被覆茶園 玉露

被覆茶園 玉露


  中国各地の茶葉生産者や北京・上海で茶葉を販売するお茶の専門家10名が来日しました。

一行は中国各地から関西空港に入り、京都の茶産地宇治や栄西禅師が中国の宋から持ち帰った茶の種を日本で最初に植えたと言われる、日本最古の茶園がある高山寺を見学。
 三重では鉄瓶を鋳造する桑原鋳工株式会社を見学しながら3日目に静岡入りしました。

カワサキ機工

カワサキ機工

 茶文化交流視察団だけあって一般の観光はほとんどありません。
まずは掛川市にある製茶機製造メーカーのカワサキ機工株式会社を訪問し、社長自らのお出迎えで日本の製茶機械の勉強をし、静岡県立茶葉研究センターでは静岡で栽培される品種などの説明を聞くと、一様に中国とは違う日本の品種の多さに感心していました。

丸東製茶茶園

丸東製茶茶園

製茶工場見学

製茶工場見学

新茶試飲

新茶試飲

お茶缶購入

お茶缶購入

お茶詰め放題

お茶詰め放題

そして今回特別にご協力頂いたのはお茶ミュージアムのほど近い「有限会社丸東製茶」さんです。
先日も静岡新聞でも取り上げられ、福島県や愛知県などから連日たくさんの観光客が集まるお茶の新名所です。
どんな業種でも業務に支障が出ることは避けたいもの。でもなぜ観光施設でもない一般のお茶工場が多くの観光客を受け入れ、製茶工場の見学や格安でのお茶摘み体験や茶葉の天ぷらなどの試食体験、お茶詰め放題などをするのか、今回案内して頂いた仲山和彦さんに聞いてみたところ、
「確かに忙しい時期は業務に支障が出ます。でもお茶業界が長い不況から抜け出すことが出来ない現状を変えるためには、まず皆さんにお茶を知ってもらうことから始めないといけないと思い観光客の受け入れを始めました。人件費などを考えると茶摘み体験など格安でやるのは大変ですが、多くの人にお茶を知ってもらえたらいつかそれが帰って来てくれると思ったいます」と答えられ、生産者の皆さんの覚悟が感じられました。素晴らしい考えに賛同します。

茶文化交流団の皆さんは丸東製茶さんの茶畑で茶摘み体験をし、工場見学、お茶詰め放題、茶葉天ぷらの試食をさせていただき大喜び。新茶試飲コーナーでは北川社長さんが出迎えて頂き、小学生の娘さんが新茶を配ってくれました。
皆さん新茶を購入したり、日本らしい装飾が施された茶缶を購入しお茶を詰めたりと、新茶の季節を楽しんでいました。
丸東製茶の皆さんありがとうございました。

お茶ミュージアム茶葉料理

お茶ミュージアム茶葉料理


玉露の里 瓢月亭茶室

玉露の里 瓢月亭茶室

玉露呈茶

玉露呈茶

抹茶体験

抹茶体験

一行はその後新装されたお茶ミュージアムで茶葉料理を食べ、茶室で抹茶の呈茶体験をし、岡部にある玉露の里で玉露の呈茶体験をしました。

私自身も抹茶と玉露の違いや茶器、作法の違いなど勉強になりました。因みにお茶ミュージアムの抹茶も岡部の碾茶が使われているのだそうです。

3日間滞在した静岡ではお茶づくし。

今回来日したメンバー10人の中には、中国のテレビ局CCTV(日本のNHKと同じ国営放送局)のディレクターを務める方もいましたが、その女性は「中国に帰ったら静岡のお茶を題材にしたドキュメンタリー番組を制作するよう検討したい」と言っていました。

今から楽しみです。

 

静岡を後にした一行は東京で華道体験や銀座の紅茶・日本茶専門店などを訪問し無事8日間の行程を終了し帰国しました。

 

紀元前から中国で飲まれていたお茶が日本にもたらされて1000年。共に独自の茶文化を持つ両国が更なる交流で切磋琢磨し、人気の抹茶を含めた茶文化の向上に努められれば静岡のお茶業界の未来にも光明が差し始めるのではないでしょうか。