今年最後の◯◯ってどうよ?!

 師走になるとよくテレビ番組で『今日は今年最後の◯◯◯の話題です!』というニュースが聞かれるようになる。
それは学校授業であったり仕事だったりいろいろな行事だったりするのが通例だ。
しかし昨日は数局の番組で「今夜は今年最後の満月を見ることが出来ます」というアナウンサーの言葉に耳を疑った。
「今年最後の満月?!」
 基本的に29.5日毎に繰り返す満月が今年最後の満月だとニュースになるのは初耳。ならば“今年最後のお菓子”とか“今年最後の焼肉”など何でもニュースにできる。
アナウンサーは
 「今年最後となる満月は夜のとばりが下りて東の空から昇るコールドムーンと呼ばれる月の横に火星がランデブー、その下にはオリオン座のペテルギウスも見ることができます」と続けた。
 ワールドカップの小休止中とは言え、よほど話題がなかったのか優里が歌う「ペテルギウス」まで出して視聴者の興味を引こうとしているのが見え見えだ。
 とは言え「太平洋側はきれいな満月が見られます」という情報に、まんまと夜空を見上げた私も私だが、空にはご覧のようなカサ(漢字は傘ではなく暈と書きます)をかぶった満月(コールドムーン)が出ていた。

「今年最後の満月?!」

 月は湿気(絹層雲)が多い時に暈(かさ)をかぶり、昔から「天気が崩れる」兆候とされている。それは気象学的にも証明されていて絹雲層が出る時は近くに移動性低気圧があることが判っている。確かに気温は下がってきているが私の天気予報(波小僧=遠州七不思議 ※1)では快晴と出ていたのでどちらが正解か?と今朝一番で自宅の外を見た。
 はたして快晴。
今年最後のコールドムーンに勝った!とあたかも日本代表がドイツ・スペインに勝った時と同じように満足した。

話を戻そう。
『今年最後の◯◯』もコロナ禍で我慢を強いられた節目として使ったのだろうが、私としては「今年最後の満月」には無茶苦茶違和感がある。ましてや1局ではなくNHKまでもがニュースとして取り上げた。もっと取り上げなければならない話題があるだろうに・・・と思う。

 でもせっかくだから私も都合よく使わせてもらおう。
「今年最後のお酒」とか「今年最後のタバコ」とか年末に向け乱発しそうだ。

※1「波小僧(なみこぞう)」
遠州七不思議の一つに数えられ、基本的に海鳴りが東から聞こえると天気は下り坂。西から聞こえる時は晴れ。聞こえ方の微妙な違いで雨の降る時間や強さ、晴れの度合いを教えてくれるという伝説的小僧さん物語

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