新型コロナウイルスに問われる日本の民度

空港注意喚起ポスター

空港注意喚起ポスター


静岡空港 国際線

静岡空港 国際線


令和二年が始まった正月明けに「中国武漢市で新型肺炎の流行」のニュースが報道された。
すぐさま今から17~8年前に中国広東省から広まり世界を混乱させたSARSが頭をよぎったが、まさか今回の新型コロナウイルスがそのSARSを超えるほどに猛威を振るうとは思ってもいなかった。
 私自身、日に日に増える死者と患者数、時間経過と共に弊社の事業形態からも少なからず不安を覚えた。

 しかしここ数日報道されるニュースを見ていると、過度の取材やコメントが独り歩きをし始め、中国人=ウイルス保持者、感染=重篤な病、のイメージが定着し始めた。
最近では報道機関でさえもソーシャルメディアから引用した根も葉もない情報発信をあたかも事実のように取扱うバカげた報道番組が増えているのは嘆かわしい。
昨日取り上げていたニュースは、空港で巨大ペットボトルを加工して頭にかぶったり、紙オムツをかぶって感染予防する搭乗者達だった。
ここまでくると悲劇を通り越して喜劇だ。笑うしかない。
いつから日本人はワイドショーじみたニュースを真に受けて真剣に身の安全を心配する民族になり下がったのだろうか。

 確かに新型ウイルスの特効薬はない。しかし通常のインフルエンザに罹患して亡くなる方は世界で年間30万~65万人(米疾病対策センター発表)と発表されている。年によっての違いが幅を持たせているのだろうが驚きの人数である。
日本ではインフルエンザが直接の原因ではないとして亡くなる方の人数は数百人程度とされているが、これら数字を見ても今回の新型コロナウイルスで右往左往するのは日本人としての民度が疑われる。

閑散とした静岡空港

閑散とした静岡空港


現状、身近では静岡空港の中国路線が上海線を除き相次ぎ運休にり、春節のかき入れ時の減収で苦戦する観光業者もあるだろう。東京オリンピックを控え暗雲が立ち込めている。
しかしだ・・・。
 日本人は長い時間をかけて道徳や礼節を身に着け、東北の震災の時でも世界各国から称賛されるような知的水準と成熟度の高い民度ある国家になったのだ。
 私たち日本人は、今こそ流言飛語に惑わされない民度の高い生活を心がけなければならないと思う。