「GoToトラベル」全国一斉“停止”

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ガースーGoTo全国一斉停止発表

ガースーGoTo全国一斉停止発表

菅義偉首相は、新型コロナウイルス感染拡大(第3波)の影響を受けて「GoToトラベル」を今月28日から来年1月11日まで全国一斉の停止を発表した。
 予想されていたように第3波が来ても恩義を感じる二階幹事長(全国旅行業協会会長)と経済活動を優先し、頑なに「停止は考えていない」と発言していたにもかかわらず、落ち始めた支持率と世論の不満に耐え切れず一夜にして翻意した。
 新型コロナウイルスによって停滞した経済活動を支援しようと始まった「GoToトラベル」事業もすでに5カ月が経過したが、開始当初から「GoToトラブル」と揶揄されたように頻繁に変更する制度に振り回され続けた現場(もちろん弊社も)からは、今回の年末年始の稼ぎ時の一斉停止を受けてのテレビ取材で不平不満を訴えていた。

 停止が遅きに失した感は否めないが、私の関西の友人K氏はテレビニュースを見ながら遠い眼差しで静かにこう語った。

友人K「あー、ガースーね。GoToトラブルが停止した言うたかてなんで文句を言う必
要があんねん?そもそも政府がトラブル事業をやってくれはったから予約が
入っとったんやろ?
それが全国一斉停止でキャンセル続出って不平不満を言うのは筋違いやねん。
ガースーにしたら停止せーへん言うて批判され、中止したら中止で文句言われる。
ワイがガースーやったら「どっちやねん!」とツッコミ入れたるで。
     さいわいワテはそんな世間とは正反対の安寧の世界に生きとるさかい何の不平
     不満も口にせーへんけどな。
ただな…、トラブルの予算が1兆311億円やろ?
GoToトラブルやりはんなら「GoTo現金配布」やりはったらええねん。
せやったらワテも近くの日帰り温泉施設にでも行ったるさかいに…」

 「お前はぼやき漫才師の人生行路か!」と私自身がツッコミを入れたくなったが、友人Kが言わんとすることも判らなくもない。停滞した経済を回すのも政府の重要な仕事。新型コロナ感染拡大防止対策もGoTo事業のコントロールも大事な政策の一つである。
 菅総理もこのコロナ禍で重大なかじ取りを任されているが、この国難に打ち勝つには私たち国民自身も船長の「舵」に任せる覚悟が必要だ。

「心は万境に随(したが)って転ず 転ずる処 実に能(よ)く幽なり」

私たちの考えは周りの環境や状況によってコロコロ変わります。「こうでなければ」「こうなるばす」と思いがちですが、転じてみればそこは存外に幽(みごとな)所かもしれません。