中国重慶市から小学生訪日交流団が来日

中国重慶市から小学生訪日交流団が来日
中国4番目の直轄市 四川省重慶市から小学5年生の児童・教員63名が来日しました。
A団・B団2班に分かれて、A団は7月27日~8月3日、B団は7月30日~8月6日までそれぞれ8日間の研修旅行です。

 この研修団の主な目的は、日本の学生児童たちとのスポーツ交流を通じての相互理解と日本発アニメ研修および防災研修で、A団は大阪IN、B団は東京INで共にゴールデンルートをこなす途中の静岡で合流し、御前崎灯台の観光や牧之原消防署見学、午後からは牧之原大茶園と製茶工場見学、続いて剣道体験、卓球交流と中身の濃い観光交流をしました。

御前崎灯台展望台

御前崎灯台展望台

7月31日(日)、青空が広がった御前崎灯台展望台に到着した一行は、初めて見る海(四川省重慶市は中国内陸部に位置し、児童のほとんどが初めて海を見ました)に大喜びし、水平線が丸く見えることに驚いていました。

消防署のご厚意で社会科見学

消防署のご厚意で社会科見学

続いて訪問したのは牧之原消防署。牧之原市と消防署のご厚意で社会科見学を受け入れて頂きました。引率の先生に聞いたところによると、中国の小学校では勉強が優先され日本のように社会科見学の授業がないそうで、引率の先生方も初めて消防署を見学するとのことでした。昨今、中国でも防災が重要視されはじめており、今回も静岡市にある地震防災センターとともに世界が認める日本の防災システムを勉強しました。

グリンピア牧之原

グリンピア牧之原

茶園見学と製茶工場見学

茶園見学と製茶工場見学

そして昼食の後はグリンピア牧之原で茶園見学と製茶工場見学。重慶市は人口3千万人の大都市で、その都市部に住む子供たちは牧之原台地の自然に感激し、茶園の中を走り回っていました。もちろん最後は売店で「子供版爆買い」。日本茶は中国内陸部でも人気のようです。

 

そして今回のメイン、スポーツ交流は中国からリクエストがあった日本伝統競技「剣道」と日中双方で人気の「卓球」です。

日本伝統競技「剣道」

日本伝統競技「剣道」

日本伝統競技「剣道」

日本伝統競技「剣道」

まずは榛原少年剣道クラブの児童の皆さんとの交流。代表の剣道教士七段の山本英広先生の指導のもと、静岡県榛原剣道クラブの大人6名さんも入っていただいた体験交流でした。
最初に山本先生から剣道の成り立ちと礼儀作法の説明を受け、日本刀や防具を初めてみる児童たちの目は輝いています。
そして竹刀を取って「所作」「礼法」「刀法」「素振り」を教えていただきました。続く演武では日本の児童と指導される大人の皆さんの試合稽古では、竹刀が交わる音や掛け声の迫力に歓声が上がっていました。
模範演武を見た後に、実際竹刀を持って防具を付けた相手に打ち込む基本練習では苦労していましたが、何度か繰り返すうちに綺麗な面が決まりだし、掛け声も勇ましくなってゆきました。
最後は全員終了証書を授与してもらい、質問タイムでの「打たれて痛くないですか?」の質問に、山本先生は「上級者になればなるほど打つ瞬間だけに力を込め、打たれても痛くないです。反対に下手な人ほど身体全部に力が入るので痛いです」の回答に我々も納得。
やはり長い歴史のある剣道だけに普段の生き方に通じるものがあると思いました。目一杯生きているのではなく、力を抜いて「ここぞ」という時に力を込めないと、自分の心まで痛めてしまうかもしれないですからね。
静岡県榛原剣道クラブ・静岡県榛原少年剣道クラブの皆さんありがとうございました!

卓球交流

卓球交流

卓球交流

元気な児童たちは続いて藤枝卓球スポーツ少年団の皆さんとの卓球交流を楽しみました。

会場の藤枝市体育館で、藤枝市の河野一行副市長やNPO法人藤枝市体育協会の役員の皆さん、少年団の小中学生の皆さんとそのご父兄の出迎えを受け、中国の児童たちは少し緊張気味で入場。

しかし卓球台20台を使った交流が始まると、そこは日中双方で人気のスポーツ卓球だけに次第に熱を帯びはじめました。中には中学生のお兄さん相手に試合形式で打ち合う児童も見られ、会場は日中卓球交流の熱気に包まれました。

中国は昔から卓球王国で、今でも世界No1には中国が君臨し続けていますが、学校単位になると日本のようにクラブ活動や部活動もなく、小学校から勉強付けの毎日になるために基本的に普通の児童は卓球があまり上手ではありません。

でも人気スポーツだけあって、最近では日中の政治的な外交にも「ピンポン外交」などとして利用されていますよね。

余談ですが、日本語で卓球は「ピンポン」と言われますが、中国語では乒乓球」(ピンパンチュウ)と言います。ピンポンの語源はもしかしたら中国語?と思い調べてみると、もともと英国発祥の卓球を登録した際には、テーブルテニスではなく球がラケットに当たった時の音「ping」と台にはねた時の音「pong」を合わせて「ping-pong」と商標登録したという驚きの事実が判りました。語源は調べてみると面白いですね。

ちなみに日本語の「卓球」はテーブルテニスを漢字に当てはめたもので、中国や香港、シンガポールで「卓球」と言ったらビリヤードになります。でも何故か日本びいきの台湾だけは

卓球=ピンポンなんですよ。

藤枝市体育協会の皆様、藤枝卓球スポーツ少年団のみなさんありがとうございました。

中国の児童たちは今回の静岡を一番の楽しみに来日していました。
もちろん東京ディズニーランドや東京J-WORLDも楽しみですが、普段経験出来ない防災施設見学や中国で見られない自然、そして何より日本の子供達と交流が楽しみだったようです。

一行は静岡での交流翌日には東京に行き早稲田大学キャンパス見学、ドラえもんの藤子不二雄ミュージアム、アニメのテーマパーク東京J-WORLD、日本科学未来館などを楽しみ帰国します。
来年が楽しみになる訪日交流でした。