手負いの蝉(セミ)

羽が欠損したアブラゼミ

羽が欠損したアブラゼミ


 先日のこと、庭先で方羽根の半分が欠損し飛ぶことも出来ず地上を這いずっていた瀕死のアブラゼミを発見した。
“飛ばねえ豚はただの豚”と言っていたジブリ映画の主人公にちなんで私はそのセミをポルコと呼んだ。
なぜ羽が欠損したかの理由は判らないが、欠損の状況を見る限り羽化する際に6割超えに起こり死んでしまう羽化不全でないことは確かだ。
セミの羽には指紋のような植物の葉の葉脈のような模様がある。これを「翅脈(しみゃく)」と言うが、羽化不全の場合はこの羽と翅脈に異常はみられても欠損は考えられない。考えられるとしたら羽化時の無防備な時に鳥や昆虫に攻撃されたと考えるのが妥当だ。
 私はこのポルコが長い間地中で過ごし、やっと地上に出てきたと思ったら一度も飛ぶことなく死んでしまうことが哀れでならなかった。しかし羽は再生しないのでこのまま死ぬのだろうと思っていた2時間後、アリに運ばれるポルコがいた。食物連鎖の邪魔は出来ないので見守るしかなかったが、私の頭の中では“紅の豚”のエンディング曲「時には昔の話を」が流れていた。
ところで…、
今年の夏はセミの声があまり聞かれないと思われる方が少なからずいると思う。確かに今年は極端に少ない。雑木林に囲まれた我が家では毎年あの忌々しい大合唱で夏の暑さが体感温度2℃は違うのだが、午前中に鳴くクマゼミは元気に鳴いているが午後に鳴くアブラゼミの鳴き声が聞こえてこない。
理由は今年の“猛暑”だ。

羽化直後のクマゼミ

羽化直後のクマゼミ

セミの羽化は25℃~30℃くらいで始まると言われるが、7月上旬から続く35℃越えに羽化のタイミングが狂ってしまい、せっかく地上に出てきても猛暑は羽化に使う体力を奪い死んでしまう個体が多いからだと思う。また少雨によって地面が固まり地上に出られない状態になっていることも考えられる。クマゼミは比較的高温に強く土壌乾燥にも強いと言われるが、アブラゼミは高温に弱く湿り気のある土壌を好む。むかしセミの主流だったニイニイゼミが激減したのは今のアブラゼミの状況に似て高温と乾燥に弱かったからなのだ。
だから今年は午前中のクマゼミが元気で、午後のアブラゼミは静かでまったりしたアフタヌーンティーが楽しめる(←紅茶か!)
しかしこの猛暑、いつまで続くのでしょうか?まだアブラゼミの体感温度2℃アップの方がましかもです。

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