中国の結婚事情

中国の結婚事情
親となった以上、子供の育児から始まり教育を経て結婚、子孫繁栄と頭の痛いことが続くのは親としての世界共通の問題であり責任でもある。

自分の能力以上を子供に期待するのは酷としても、せめて結婚をして幸せな家庭を築いてほしいとは誰もが願うことだ。

結婚式招待状

先日、中国の友人の結婚披露宴に招かれ浙江省寧波市に行ってきた。
私とは親子ほど年の違う新郎新婦だが、共に裕福な家庭に育った二人の披露宴は、寧波市の高級ホテル「ウエスティンホテル」のバンケットホール。

中国披露宴

中国披露宴

中国披露宴

中国披露宴

中国披露宴

日本のように神前、仏式、教会などで執り行われる挙式はなく、中国では一般的にまず新郎が新婦の自宅へ行き、新婦宅に集まった親戚一同に新婦をもらう許しを得ることから始まる。

爆竹で迎えられた新郎は、新婦宅の玄関で待ち受ける親族数名の許しを請うのだが、ここからが日本とは大きく違う。

「なにをしに来た?」

「〇〇さんを嫁としても来に来ました!」

「では、夫としてのどれほど力量があるか見せてみなさい」

新郎は考えて地面に伏せたかと思うと、突然腕立て伏せを始めた。これ以上出来ないほどになるとようやく

「宜しい!では中に入りなさい」と親族の許しが出る。

そして玄関を入りリビングに行くと今度は別の親族が立ちふさがり、

「ここから先に行くには、これから新婦を幸せにできるかの覚悟を見せなさい!」という。

新郎は一呼吸おいて

「私の覚悟は・・・」とダンスと歌を歌い始めた。

「宜しい!では入りなさい」

やっと居間にたどり着いた新婦はそこで初めて新婦の両親に娘をもらう許しを請うことが許される。

その間、部屋の一番奥で待つ新婦は中国伝統衣装を身にまとい、新郎が来るのをじっと待っているのだ。

 

午後は反対に新婦が新郎の自宅へ行き、家族となる許しを請うことになる。しかし新婦のそれと違い関門はなく、まず祖父母のところに行き挨拶の後にお茶を入れる。

それをゆっくり飲んだ祖父母はニッコリと笑い「このお茶を出せるならば我が家の嫁にふさわしいですよ」と許可する。そして最後に父母に嫁になることの許しを得て一連の儀式が終了する。

結婚の儀式は、細かい内容は違えど中国全土ほぼ同じらしく、はれて結婚した二人は夜の披露宴に向かうことができるのだ。

 

中国と日本の結婚式の違いは興味深いが、披露宴でもいくつかの違いがみられる。

祝儀袋は赤い袋に入れ直接新郎新婦に手渡すことや、披露宴に招かれた方たちは普段着(Tシャツ可)で参列し、それぞれテーブル毎に乾杯を始め、披露宴の終了挨拶もなく(日本のように万歳三唱もなく)三々五々帰ってゆくのだ。もちろん引き出物は日本だけの風習である。

我々日本人からすると拍子抜けするほどあっさりした披露宴だが、日本のように細かいしきたりを気にしない中国式もなかなかいいものだと感じる。要は祝福する気持ちが大切と言うことなのだろう。

 春と秋は中国も結婚式シーズンで、観光地のそこかしこに記念写真を撮る新郎新婦が見られる。中国人は記念写真にけっこうな金額をかけるようだ。

中国結婚

中国結婚

中国結婚

中国結婚

中国では若者の人口比率からすると、女100人に対し男120人という。これでは結婚できない男性が増えるのも当然だ。

その上、都市部の男性はマンションを持っていることが最低条件(ほとんど両親が買い与えるらしい)と言う。都市部のマンションは日本より高いので結構ハードルは高い。

 そんな条件をクリア出来ない男性が多い上に、女性の高学歴化が進み、男性は「剰男」(シェンナン)「剰女」(シェンニュウ)と呼ばれるいわゆる「売れ残り」と言った意味の言葉までできている。

 

日本でも結婚できない(しない)若者が増えているが、中国では本人も親も結婚は人生で最も大変な問題なのだ。

私は日本人に生まれてで良かったと安堵しながら、心から友人二人を祝福した。

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