静岡駅名物『谷岡の天津甘栗』まもなく閉店

感謝プレゼント付

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甘栗

甘栗


鬼皮むき付

鬼皮むき付

知る人ぞ知る静岡市民にとってのソウルフードと言っても過言でない『谷岡の甘栗』。
JR静岡駅構内で40年以上に渡り販売され、お土産としても家族のおやつとしても市民に愛され続けた店が来月3月中旬(栗がなくなり次第)をもって閉店するという。
 新型コロナウイルス蔓延による影響で、お土産としての売り上げが落ち込んだうえに静岡まつりや大道芸ワールドカップなどのイベントが中止に追い込まれての廃業という。

西部地区在住の私にとって天津甘栗はお祭りの縁日のイメージで、年がら年中静岡駅構内で販売しているのは不思議でならなかったが、静岡市民にとって普通の風景らしく閉店が決まってからは甘栗を買い求めるお客さんで連日長蛇の列(平日でも1時間待ち)になっているらしい。そんなに売れるなら廃業しなくても…と思うのは私だけではないだろうが、それだけ市民に愛された天津甘栗は幸せ者と思う。

◎天津甘栗に関してのQ&Aコーナー

① なぜ甘栗は天津?
驚くことですが中国の天津に栗の木はありません。ではなぜ天津かと言うと中国の栗のほとんどが北京郊外(万里の長城一帯)で取れるのですが、輸出する際の集荷場が天津にあったことから日本で「天津甘栗」で販売されました。
ちなみに中国語で天津甘栗は砂糖でツヤを出しながら炒めると言う意味で「糖炒栗子(タンチャオリーズ)」と言います。中華料理の「天津飯」が本場にないのと同じですね。
② 天津甘栗の栗は必ず中国産なの?
天津甘栗の栗は100%中国産です。食の安全から食材の中国産を嫌う方もいますが、天津甘栗は中国産でないと商品になりません。理由は栗の「種類」が違うから。
栗には大きく分けて3種類あります。和菓子に使う日本の和栗、モンブランなど西洋菓子に使う西洋栗、天津甘栗に使う中国栗で、絶対的に違うのは天津甘栗は外側の固い鬼皮をむけばほっこりとした実が出てきますが、日本の栗は鬼皮をむいても実に渋皮が付いてきますよね。だから天津甘栗は中国栗でないと商品にならないのです。

その昔、私が北京に住んでいた頃は冬になると街角に「焼き芋」と「甘栗」売りのおばちゃん達の屋台が並び、日本と違うコゲ目がついた香ばしい栗は庶民(老百姓 ラオバイシン)老若男女のおやつとして大人気だった。しかし今ではその中国でさえも甘栗売りを見かけることはなくなり私の中でのその光景は古き良き時代の思い出としてだけ残っている。
静岡市(静岡駅)の名物がなくなることは寂しい限りだが、「谷岡の甘栗」を楽しみに食した友人や家族との思い出がなくなることはないだろう。