特別史跡 登呂遺跡

登呂遺跡イラストマップ

登呂遺跡イラストマップ


戦後から1990年代までに小学校・中学校を卒業した人ならだれもが知る『登呂遺跡』。
戦時中の昭和18年に発見され、日本で初めて2000年前の弥生時代の集落と水田跡が見つかり日本中が大騒ぎになったと言う。
 そんな登呂遺跡も発見から80年が過ぎ、その間に日本各地で登呂遺跡よりも規模も大きく保存状態の良い集落遺跡が発掘されたため、いまでは教科書にも載らないようになってしまった。
 しかし先日の静岡新聞で「登呂遺跡の母村・有東遺跡で発掘された木棺墓が初展示」の見出しで久しぶりに登呂遺跡を訪れてみた。

居住区(竪穴式住居と高床倉庫)

居住区(竪穴式住居と高床倉庫)


登呂博物館(1階無料エリア)

登呂博物館(1階無料エリア)


登呂博物館(2階有料展示室)

登呂博物館(2階有料展示室)

縄文・弥生遺跡として同列になる吉野ケ里遺跡や青森の三内丸山遺跡と比べると確かに規模が小さいが、その分整備された水田跡や展示される竪穴式住居などは無料になっている。
 隣接する市立登呂博物館もなんと1階展示室は無料。訪問した時は博物館開館50周年記念・特別史跡指定70周年の特別展が2階で開かれていたが観覧料300円という安さが嬉しい。

初公開!木棺墓

初公開!木棺墓

 今回の目当ては初公開された「木棺墓」。
登呂遺跡はむかしから「墓」が発見されないのが謎とされていたのだが、数十回に及ぶ発掘により近くに母村の存在が確認され、有東遺跡と命名された遺跡から発掘された日本でも珍しい木棺。素焼きの甕棺墓(かめかんぼ)と違い、木棺が出土するのは登呂遺跡独特の土壌により空気に触れることなく2000年もの間封印されたからだ。
 木棺は長さ1.2m、幅32cm、深さ30cmという小さなもので、周りの土と共に切り出されて保存され、木材部分は劣化を止めるために樹脂で固められ「複製?」と思ってしまうほど綺麗に残っている。

 登呂遺跡は東名静岡インターから車で5分。駐車場も50台(有料400円)完備。
今年はNHK大河ドラマ「どうする家康」効果で静岡市が注目されています。
 登呂遺跡からは家康墓所「久能山東照宮」表参道口まで車で20分。日本平山頂ロープウエイ乗り場まで30分、家康の居城・駿府城や今年オープンした歴史博物館、大河ドラマ館なども車で20分です。

※後記)
この記事を書いている最中に、中国の河南省で7800年前の集落遺跡を発見したとの
ニュースが飛び込んできた。登呂遺跡(2000年前)よりさらに5800年も古い集
落跡…中国おそるべし。登呂遺跡が最近の集落に思えてきた。